十二指腸と活性酵素

十二指腸と活性酵素

ストレスを受けると、胃や十二指腸の粘膜に活性酸素が発生し、粘膜を刺激することになるので、胃炎や潰瘍の発症につながります。ストレスだけでなく、活性酸素を増やす原因には、ヘリコバクター・ビロリ菌という細菌の感染も考えられます。ピロリ菌は、胃の出日付近にすみつく細菌で、みずからアンモニアを合成するため、酸の強い胃の中でも問題なく生息できます。ピロリ菌が感染した胃の粘膜は、菌を退治しようとして活性酸素を発生させ、その活性酸素が周囲の粘膜組織にまで危害を加えます。これが続くと、慢性萎縮性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍になりやすく、がんを引き起こしやすい状態になります。さらに、活性酸素が発生し続けば、胃の粘膜は絶えず刺激を受け、やがてがんが発生します。胃がんの原因としてもう1つ考えられるのは、胃の中で生成されるニトロソアミンという発がん物質です。ニトロソアミンは、アミンと亜硝酸という物質が反応して生成されます。胃の中で生じたニトロソアミンは、活性酸素を発生させてがんを引き起こします。

 

 

この状態にストレスがもたらす活性酸素が加われば、抗酸化ビタミンの需要は高まる一方です。胃壁を直撃する活性酸素の発生を抑えることが、胃炎や十二指腸潰瘍を予防する第一歩です。また、ニトロソアミンの発生を抑えてがんを予防するためには、ビタミンCを大量に補給することが重要です。胃の中で発生した亜硝酸は、アミンよりも早くビタミンCと結合する性質があるので、Cを大量に補給しておけば、ニトロソアミンが生成できないからです。たとえ生成されても、ビタミンCやEを補っておけば、ニトロソアミンによる活性酸素の生成を制御できます。さらに、βlカロテンの摂取量が多い人ほど、慢性萎縮性胃炎の発症率が低いことも明らかになっています。これは、βlカロテンが、ビロリ菌感染によって生じる活性酸素の除去に役立っていると考えられるからです。このように、胃や十二指腸の粘膜に大量の活性酸素を発生させなければ、胃がんになる確率も低くなります。そのためには、活性酸素の発生を抑制する抗酸化ビタミンのCやE、βlカロテンを日ごろから補い、胃や十二指腸の粘膜を守ることが大切です。